日本ミシュランタイヤの会長に就任したベルナール・デルマス氏。日本での在任期間は今年で延べ24年を数えるという。
「日本は独特な市場。ここで成功できれば、世界でも成功できる」と、複数のタイヤメーカー、新車メーカーが本拠地を構える日本市場の重要性あるいは特殊性をフランス本社に訴え続けてきた。
社長職を務めた2007年からの8年間で、もっとも辛かったのは2010年の太田工場の閉鎖だと振り返る。――「あの当時、従業員には大変な思いをさせてしまった」と寂しげな表情を見せる。ただ、世界に3つしかない研究開発拠点の1つとして太田サイトを存続させたことは、ある意味でデルマス氏をはじめとした関係者の意地だったのかもしれない。