=表紙のことば=2025年 新春特集号 謹んで新春のお慶びを申し上げます

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カテゴリー: コラム
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高層ビルの間を蛇行するように縫う高速道路
高層ビルの間を蛇行するように縫う高速道路

 2025年 新春特集号

 謹んで新春のお慶びを申し上げます

 株式会社自動車春秋社

 

 筆者のような仕事をしていると、多方面からアドバイスを求められることがなにかと多い。それこそ業界の「いろは」や、黎明期から現在に至る折目切目、これからの展望への見解……。可能な範囲でお応えしているが、超難問を提示されるときがある。「新しいタイヤを発明したが、どうだろうか?」というのがその最たる例だ。発明品の現物(プロトモデル)に乗り運転したことも2度3度どころではない。

 さて数年前、本紙で紹介したことがあるが、タイヤ業界出身で、在職中から独学でエアレスタイヤの開発に取り組む研究家がいる。本紙読者のKさんがそのひとだ。クルマの持続可能な安全走行をグローバルで実現するには「パンクせず、できるだけ安価でコストがかからないエアレスタイヤが必要」というのが彼の信条。製作された試作品に実際に触れる機会もあった。その後改良を重ねられたようだが、間遠となっていた。

 そんなKさんからメールが入った。自身が開発のエアレスタイヤが国内特許を取得したという報告だった。いろいろと苦労されたが研究を諦めなかった。現在は国際特許を出願中とのこと。執念にも似た、Kさんの〈研究家魂〉が結実しようとしている。もしかすると、彼の特許がなにかの形で日の目を見るかもしれない。

 2025年は巳年。〈執念深い〉といわれる干支にちなんだエピソードとして——。

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