被災地の会員へ義援金、車両、機材を贈呈
日本ミシュランタイヤの取り扱いディーラーで組織する「ミシュラン・レスキュー・ネットワーク サポートディーラー会(MRN会)」の全国の会員から募った義援金が、東日本大震災で被災した会員に届けられた。MRN会の市原昭会長(中部タイヤセンター社長)らが6月23日、24日の2日間、現地を訪れて石巻市の丸道タイヤ商会など宮城・福島両県の計6会員に義援金を贈呈。同時に日本ミシュランタイヤからもMRN会で集まった義援金と同額を寄付した。MRN会では義援金以外にもサービスカーや機材、工具などを提供しており、被災した会員の事業再開をサポートしている。そこには、同じタイヤを扱う仲間同士の絆がある。
ミシュラン・レスキュー・ネットワークは、顧客である運送会社やバス会社の車両でタイヤトラブルが起きた際、パンク修理やスペアタイヤへの交換などのロードサービスを提供するネットワークで2004年にスタートした。そこへ加盟するディーラーで結成されたのがMRN会で、日本ミシュランタイヤ内に事務局を置き、年に数回、ビジネス上の情報交換会などの活動を行っている。
震災発生後、MRN会では被害の大きさを鑑みて緊急会議を開催し、被災した会員への支援を行うことを決定した。
日本ミシュランタイヤ・トラックバスタイヤ事業部の中川原光昭マネージャーは「震災直後から多くの声が寄せられており、どのような支援を提供できるのかを話し合った。MRN会の方々は現場を熟知しているので、被害を受けた店舗で何が必要なのか、我々メーカーよりノウハウを持っていた」と話す。
ある会員は支援物資や燃料をトラックに満載して被災地へ向かった。またサービストラックの無償提供を申し出る会員も複数いた。他にもチェンジャーやバランサー、発電機、各種工具・部品など多くの物資が全国の会員から提供され、現地へ届けられた。
23日、24日には、MRN会の市原会長および日本ミシュランタイヤで東北エリアを担当するトラックバスタイヤ事業部の田中禎浩氏、浜口泰二氏らが宮城、福島両県の6会員を訪れて義援金を手渡した。
その中の一つ、宮城県石巻市の丸道タイヤ(遠藤学社長)を訪問した市原会長は「復興を願うMRN会の気持ちとして受け取って頂きたい」と義援金を贈呈。遠藤社長は「今回、MRN会に支援して頂き本当に助かった。多くの機材が使用できなくなったが、皆さんに手配して頂いた車両や機材も朝から晩まで使用させて頂いている」と謝意を述べた。
日本ミシュランタイヤの中川原マネージャーは「ミシュラングループは“よりよいモビリティに貢献すること”を使命に掲げている。今回の大震災のような非常時こそ、モビリティを止めないようにしなければならない。そのためには、ディーラーの方々に事業を再開して頂く必要がある。同じ仕事をなさっているMRN会の支援は、非常に心強かった」と語った。
なお、日本ミシュランタイヤは、MRN会の義援金と同額を贈呈したほか、被災地域の復旧に必要なダンプトラック用タイヤの安定供給および復興支援策の一環としてTB用タイヤのリグルーブ1本につき300円を積み立てるプロジェクトを開始している。またミシュラングループとしても日本赤十字社を通じ、義援金100万ドル(約8200万円)を寄付することを発表している。