TOYO TIRE(トーヨータイヤ)がピックアップトラック/SUV用タイヤのブランドとしてグローバル展開する「OPEN COUNTRY」(オープンカントリー)シリーズ。都市型から本格的なオフロードユースまで多様化が進むSUVユーザーのニーズに応えている。特に大型SUV車両が普及している米国で高く支持され、数年前から本格展開をスタートした国内市場でも今後の需要拡大に注目が集まっている。世界有数の過酷なオフロードレース「バハ1000」などで活躍するタボ・ヴィルドソラ選手、製品の開発担当者にその強みを聞いた。
勝利するのに値するタイヤ
――タボ選手のプロフィールを教えてください。
「私は1982年生まれのメキシコ人です。オフロードレーサーとして最初にバハに参戦したのは1999年ですので、レーサーとして約20年のキャリアがあります。『バハ1000』で初めて総合優勝したのは2010年でした。メキシコ人選手がこのレースで優勝したのは史上初で、非常に誇りに思います。
レースで使用するタイヤは2015年まで他社製品でしたが、2016年にTEAM TOYO TIRES(チーム・トーヨータイヤ)に参加し、それ以来、TOYO TIRESを使用しています。昨年までの3年間に参戦したレースで全てTOYO TIRESを装着しており、その内の約3割のレースで優勝することができました」
――TOYO TIRESに変更した理由は。
「2015年後半にどのタイヤにするかテストを実施し、耐久性や衝撃性、摩耗性など各種性能を総合的に判断して決めました。同年12月にトライアルでTOYO TIRESを装着してレースに参戦した際に優勝できたことも大きな理由です」
「私の目的はチームがレースで優勝することです。『優勝のために何が必要なのか?』と考えた時にTOYO TIRESは、その可能性が高いと判断しました。
レースに勝つために考える様々な取り組みの中で、タイヤやホイールなどあらゆる部品を改良して、一緒により良いものを作っていくことが重要です。TOYO TIRESは我々のビジネスパートナーとしてお互いに良いものを開発していくというスタンスです」
――TOYO TIRES以外にも選択肢はあったのですか。
「『バハ1000』に参戦するチームの上位5チームはTOYO TIRESかもう1社のタイヤを装着しています。それ以外のメーカー、ブランドは技術面でまだ勝利できる水準には達していないかもしれません。
『バハ1000』に参戦する際、タイヤに求められる性能は、摩耗と外傷性、操縦安定性が特に重要になります。この3つの性能が100%組み合わされて優勝するのに値するタイヤとなります。
オフロードレースでは完走すること自体が非常に困難です。一番のライバルは岩場の多い山岳地帯や起伏に富んだ砂漠地帯を走破するコースそのものなのです。過酷な悪路を克服して、その次に他のチームとの競争があると言われているくらいです」
「全行程1000マイル(約1600kmで、タイヤのパンクは全チームで起こります。この中で、常に集中力をキープしつつ、走破しなくてはならない。一つのミスが結果に大きく影響しますので、タイヤに求められる性能はよりシビアになります。
ただ、オーケストラのように全ての部品でレベルが高くなければなりません。タイヤだけ性能が良くても、車両だけが高性能でも勝つことはできません。私はあくまでも指揮者です。クルマ、タイヤを含めてあらゆるパーツのどれもが重要で、一つでも欠けてはいけないと考えています」
――今後もレースに勝つためにタイヤに望むことは。
「どれくらい長い距離を走行できるかがレースでは重要となりますので、タイヤの摩耗性がより求められます。そして、その性能を実現するためにトレッドパターンやコンパウンドをどう改良していくのか――引き続きTOYO TIRESと協力してより良いタイヤにしていきたいと思っています。
タイヤを開発して頂くエンジニアとの意思疎通はスムーズですし、我々からの要求に対してレスポンス良く対応して頂いています」
「来年はダカール・ラリーに参戦することも視野に入れており、まずは2019年に『バハ1000』でチャンピオンになることが目標です。そして参戦するレース全てで優勝したいと思っています。
今後も勝つためにどうすれば良いか、TOYO TIRESとお互いの意見を取り入れながら協力して勝利を目指していきたいですね」