――国内ではブリヂストンもワイドシングルタイヤの新製品を発売しましたが、競合の動向をどうみていますか。
「当社としては歓迎しています。1社だけより数社から販売したほうが興味を持つ方が増えてくると思います。ほぼミシュランだけだった国内市場に我々が本格参入すると決めて、さらにブリヂストンも新製品を投入することで、市場が活性化してチャンスが来ると捉えています」
絶対に勝ちたいカテゴリー
――ソリューションビジネスの中でどう活用していきますか。
「当社は日本のタイヤメーカーとして唯一、トラック・バス用タイヤのTPMS(タイヤ空気圧監視システム)『HiTES』(ハイテス)を開発・販売しています。
『902L』を使用して頂く場合は、パンクなどの危険予知の点からTPMSの装着が必須となりますが、必要なツールやサービスなど全て揃えて、お客様に応えていくことがメーカーの責任だと考えています。
『HiTES』はタイヤの空気圧やタイヤ内の空気温度といった情報を得ることができますが、タイヤ内の空気温度はケーシングへのダメージを左右する重要なポイントです。『HiTES』を活用することで、タイヤがどれだけダメージを受けているかという見極めが容易になり、リトレッドの提案にも有利です。
似たようなサービスは色々出てきていますが、当社はデータを長年蓄積してきた点が異なります。『HiTES』が発売されたのは2003年ですので、これまで17年分の豊富なデータがあり、そのデータを継承しながらサービスができるのが強みですし、お客様へのメリットにもなります」
――「902L」の新規ユーザーを開拓していくための施策は。
「『902L』は国内市場でお客様の期待感が高まる中、我々としてあらゆる環境が揃い、満を持して投入したという意味があります。我々はデリバリー体制に自信があります。クオリティについても北米で真っ向勝負できる高いレベルにあり、このカテゴリーで高いシェアを持っています。
『902L』も『HiTES』も横浜ゴムの看板を背負っており、当社の売りは全国にヨコハマタイヤの販売店ネットワークが展開されていることです。そしてスタッドレスタイヤ、リトレッド、TPMSなどお客様が必要とするニーズを全て満たせることが最大のポイントです。デリバリー体制、日々のタイヤメンテナンスの提供など、これらを含めたトータルパッケージのソリューションを提案していきます。
お客様のニーズはワイドシングルタイヤではないかもしれません。使用環境によってはライトトラック用タイヤが必要かもしれませんし、通常のオールシーズンタイヤが最適な場合もあります。それらのニーズの全てが提供できる、トータルでサービスが提案できるのが当社の強みです。
その中で『902L』はプレミアム商品ではなく、トラック・バス用タイヤカテゴリーの一つだと思っていますし、この製品だけを特別扱いはしていません。
ただ、我々にとっては非常に競争力のある商品だと思っていますし、このカテゴリーでは絶対に勝ちたいと思っています」