国内市販用タイヤ TOPインタビュー

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カテゴリー: インタビュー, 特集

 ――TPPやMoboxといったソリューション事業の取り組み、拡大・強化に向けた施策について。

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ブリヂストンBTSJ久米社長

 消費財ソリューションでは、消費者の購買行動におけるデジタルの影響力が拡大する中、ブリヂストンの強みであるリアル店舗の高いサービス力・対応力にデジタルを使用した様々なサービスを組み合わせすることで、UX(ユーザーエクスペリエンス)を高め、LTV(ライフタイムバリュー)の向上を図っていきます。

 既に展開している乗用車用タイヤにおけるサブスクリプション(Mobox)では、「高品質なタイヤ」と、「ご使用中のアフターケアを含めたサービス」を組み合わせたパッケージを〝定額〟で、また利用期間をお客様のご都合に合わせる等、顧客価値のスコープを広げて提供し、お客様との持続的な関係を築いていきます。現在もタイヤのラインアップ、及びサービスメニューを更に拡充しながら、取扱店舗も順次拡大を進めています。

 

 生産財ソリューションでは輸送事業者において、「稼働の最大化」「トータルコスト削減」に加え、SDGs/サステナビリティ視点での「環境負荷低減」の重要性、「物流の2024年問題」への対応を含めた「業務効率化ニーズ」が高まる中、「新品タイヤ+リトレッドタイヤ+メンテナンス+Tirematics(タイヤ空気圧・温度を遠隔モニタリングするデジタルソリューションツール)等のデジタル」を組み合わせ、〝タイヤを上手に長く使ってもらう〟ソリューション提案を一層強化し、安心・安全なモビリティ社会/カーボンニュートラル/サーキュラーエコノミーの実現へ貢献していきます。

 

 ソリューション事業の共創・拡大のために、販売店様との新たなパートナーシップを構築します。そのパートナーのサービス拠点網を「ソリューションネットワーク」と位置づけ、ブリヂストン独自となるリトレッドやTPP等のサブスク型プランを積極活用し、それぞれのお客様のニーズに応え、社会価値・顧客価値を実現していきます。

 

 ――新型コロナ感染症が5類に引き下げられたことによる販売への影響は。

 コロナ禍を通じて販売環境やお客様の動きに変化がみられる中、変化に対応するため、リーンな経営体質を目指し、商習慣改革に取り組みました。具体的には、お客様と向き合う時間をより増やすための営業キャパシティの改善、定時配送ルートの見直しや、市場に合った適正な在庫を販売店様も我々もお互いに持ち合い、無駄な在庫を減らすための取組みを進めてきました。今後も継続・強化していきたいと考えています。

 23年に入り、人流・クルマの稼働の回復がみられ、5類引き下げ後もその動きが強まるものと考えています。ブリヂストングループではこの状況を見据え、4月8日「タイヤの日」からGW前までの期間に、全国で『#TIRE SAFETY』活動を展開。販売店様への「タイヤ安全点検活動」の重要性伝達と取組み強化のご提案を実施し、一体となったタイヤ点検活動の再活性化に取組んできました。

 

 ――タイヤ作業事故の未然防止に向けた取り組みについて

 タイヤ作業事故防止の取り組みの考え方としては大きく二つ。お客様の安全を確保することと、作業に従事する皆様の労働災害を防止することです。

 お客様の安全確保については、昨今課題となっている大型車の車輪脱落事故の防止に積極的に取り組んでいます。車輪脱落防止のポイントを盛り込んだ作業標準を展開し、作業実践を指導しています。また、このサービス力の維持向上には、メンテナンススタッフの育成が不可欠であり、今年で13回目を迎える全国技能グランプリ大会を通じ、日々スタッフの技能研鑽を進めています。

 労働災害の防止に向けては全社共通の安全規定項目(3S=整理・整頓・清掃、KY=危険予知、RA=リスクアセスメント、安全ルール)を設け、事業活動の基盤となる平時の活動として日々実践しています。現場には安全活動を主導するインストラクターを配置、それら人財の育成を通じてルールの遵守、指導や困りごとの吸い上げと改善のサイクルを回していくことで、より安心・安全な職場づくりを推進しております。

 

 これまで述べてきました通り、当社は、「POTENZA/REGNO/ALENZA/BLIZZAK」を中心としたプレミアムタイヤ事業戦略、並びに「新品タイヤ+リトレッドタイヤ+メンテナンス+Tirematics等のデジタル」を組み合わせたソリューション提案を軸に、社会価値・顧客価値の創造に向けた取組みを推進していきます。

 ブリヂストンはこの新たな価値創造に向け、研究・検証/実証に取り組み、ビジネスへ進化させていきますが、実現に向けては、「高いサービス品質」「出張含めた機動力」「デジタルへの親和性」を備えたパートナーの存在が不可欠であり、その中心を担って頂くのはタイヤ販売店の皆様だと考えております。

 販売店の皆様と一緒に社会価値・顧客価値の創造を進めていきたいと考えておりますのでよろしくお願い致します。


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