“整備作業の安全を支える専門企業”タイヤ整備機器TOPに聞く  小野谷機工/東洋精器工業/エイワ/イヤサカ

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カテゴリー: インタビュー, 特集
写真右・馬杉社長、同左・阿瀬代表
写真右・馬杉社長、同左・阿瀬代表

 (2)東洋精器工業株式会社

 代表取締役社長 馬杉ゆかり氏/代表取締役 阿瀬亜希氏

 

 新製品を積極上市し企業価値向上へ挑戦

 

 労働力の定着へ、軽労化機器導入進む

 

 ——24年の振り返りと、近年の市場環境について。

 

 馬杉 タイヤチェンジャーの販売台数が伸長した一方、今季に限ってはアラインメントテスターの落ち込みがみられました。バランサーは前年より微増で推移しました。

 アラインメントテスターは、購買周期の谷間での落ち込みであろうと認識しています。タイヤチェンジャーは二桁伸びており、とくにレバーレス機能搭載のモデルが伸びています。

 その他の取扱い商材ではカーリフト全般が非常に大きく伸長しました。このような傾向からみえてくるものは、作業環境の改善に対する意識が高まっていることです。

 レバーレス機械の導入では、作業難度の高いタイヤ交換への対応のためにとどまらず、高齢化の進む作業者への配慮であったり、また若い世代の労働力定着へも意識を向けて軽労化(省力化)を進めている表れかと分析しています。

 

 ——事業の成長に向け、どこに軸足を置くお考えでしょうか。

 

 阿瀬 弊社の主力製品群はタイヤチェンジャー、ホイールバランサー、アラインメントテスターという点は過去、現在も今後も変わることはありません。それらを海外メーカーと連携して国内市場に供給する点も同様に変わりません。為替変動リスクの面もありますが、将来において事業形態に大きな変化はないと考えています。

 弊社は、関連機器も含めて取り扱い商材における輸入製品の比率が高く、大きく依存しています。為替の影響はダイレクトにタイムラグなく受けています。そのことから、ここ数年、特に24年は販売台数と利益のかい離が大変大きくなってしまったため、業績面では苦しい状況が続いています。

 しかしながら、軸足という点では、今後も主力商品を変更することはありません。長年培ったノウハウを生かし、それらの製品活用を高めていくべき面はまだまだたくさんあるはずです。

 一つひとつをより磨き上げ、お客様のニーズに合った製品を提供し、競争力を高めていきたいです。お客様に納得していただき選択していただけるように、購入後も長く満足感を持ち続けていただけるよう機能・性能面の充足を滞りなく進めて、顧客満足度を上げていけるよう、今後も進めていきます。

 

 ——円安が続いたことで、製品販売価格への転嫁は。

 

 馬杉 値上げはしましたが、最小限度に控えさせていただきました。仕入れ先からは値上げの打診がありました。その都度タイムリーには転嫁はむずかしいですね。

 タイヤメーカーさんの決算と事前に取り決めた価格の維持のタイミングもあります。為替の影響で、われわれはストレートに利益圧迫されます。売値に即、転嫁できるものではありません。

 24年は仕入れ値が大幅に上昇しました。持ちこたえられないということで、最低限ギリギリのところで1〜2度、小幅な値上げにとどめました。今後もマイナス分を補える値上げをする可能性もあります。

 (以下、本紙で全文を掲載)

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