(3)株式会社エイワ
社長 前中勝彦氏
“One team for EIWA quality”
作業の難易度あがり正確性が求められる
——2024年を振りかえって
前中 弊社はタイヤ用フラップや防振パッドを製造している『製造部』と、タイヤチェンジャーやホイールバランサーなどサービス機器の『機材部』の2部門で構成されています。
製造部は、23年比で大変ありがたいことに注文が増加しました。フラップ以外の製造も、お客様から要望があればどんどんチャレンジしていきたいと考えています。『ゴム製品でこういうものを作れないか』といったお声かけも大歓迎です。
機材部が販売するタイヤチェンジャーやホイールバランサーなどのサービス機器は、円安や世界的インフレの影響もあり、残念ながら製品単価がここ数年アップしています。その影響を心配していましたが、チェンジャー、バランサーともに台数は前年の数字を維持することができました。販売台数は前年と変わりませんが、モデルのグレードアップやオプション品の採用増加により高付加価値化につながり、前年以上の売上を計上することができました。
お客様の現場では作業の難易度が上がり、安全や正確性が求められるシビアな環境になっていることから、使用される機器のグレードが上がってきていると感じています。両部門とも年間を通じて忙しくさせていただき、お客様のご愛顧に心から御礼申し上げます。
24年はお客様からお声かけも多く、ご期待いただいていることをひしひしと感じました。社員もよく頑張ってくれました。忙しくてヒヤヒヤすることもありましたので負担が軽減できればと思います。業務を効率化し、社員みんながこれから10年、20年頑張っていこうと思えるような環境づくりが私自身の責任だと痛感した1年でした」
——各製品について。市場環境はどうか。
前中 タイヤチェンジャーでは、レバーレス機能やセンターロックモデルが増加しました。レバーレス機能の需要増は、言うまでもなく大口径化によるタイヤの脱着作業が困難になっている状況を受けてのものです。作業の軽労化を実現すると同時に、タイヤビードやリムの損傷を防ぐ上で効果があります。
センターロックは、従来のヨーロピアンタイプに搭載されるチャック式の回転テーブルの代わりに、リムのセンターホールに軸をとおしてロックするモデルです。
作業のシンプルさが評価されています。ただし現時点ではヨーロピアン式がまだまだポピュラーですから、新しいセンターロックタイプの導入には様子見のお客様もいらっしゃいます。しかし使ってみると作業性の良さ、ビード落としやリム固定が楽で安全ということで、口コミを中心に広まり、センターロック式のデモの要請もたくさんいただくようになりました。
ホイールバランサーについては、タイヤリフト、SRアダプターの採用が増加しました。こちらも作業が楽というメリットのほか、バランサーへの正確な装着による〈測定精度の向上〉〈多様なリムのデザイン対応〉などが大きなメリットです。
静粛性の高いタイヤや、わずかなアンバランスが振動へ大きく影響するハイインチタイヤでの精度の高いバランス作業が目的のケースでのご採用が多い。大口径ホイールの増加で、アンバランスの悪影響は以前に増して深刻であり、クレームにもつながりかねません。SRアダプターやタイヤリフトの注目度、必要性が高まっています。
(以下、本紙で全文を掲載)