日本ゴム産業労働組合連合本部 中央執行委員長 萩原一人氏

シェア:
カテゴリー: インタビュー, 特集

 組合員が安心して生活を送るために

 安全衛生は自分ごととして取り組みを

 

 ——24年春季生活改善のとりくみ(春とり)では前期を超える妥結結果が出た。振り返って。

 

萩原一人氏
萩原一人氏

 「賃上げ」は新生ゴム連合発足以来、過去最高の引き上げ幅となり、定昇を含めた平均賃金方式での妥結額は加重平均1万4575円となった。加盟組合48組合中、44組合が賃金底上げを実現し、「一時金」についても25組合が要求に対して満額回答を得た。

 23年の実績を上回った組合は26組合となり、産別としても組合員の生活水準向上につながったと捉えている。この成果は各単組が真摯に労使交渉を行った結果だ。各単組の頑張りがあったからこその成果だ。

 24年は「定期昇給に加えて9000円以上の賃金改善」と具体的金額を方針に明記した。ゴム連合は「各構成組織の自主性と活動の主体は各構成組織にあることを尊重する」という理念を掲げており、従来は具体的な金額を明示してこなかった。具体的な金額を示すことで各単組の主体性が失われる懸念があるためだ。

 しかし、昨今の社会情勢を考慮し、今回はあくまでも目安として金額を明記することにした。その結果、「とりくみやくなった」という声も多く寄せられ、単組にとって後押しになったはず。

 

 ——25年春とりへの意気込みを。

 

 ゴム産業全体はコロナ禍前までの水準に戻ってきているが、国内外の不安定な情勢に景気の見通しは依然として不透明である。国内の物価は高止まりしており、組合員が安心して生活を送るためには賃上げは続けていく必要がある。

 単に物価が上がるから賃金も上げるというのではなく、賃金を上げて経済を回す好循環にもっていきたい。そのためには、適切な価格転嫁や取引が行われているのかを労使で確認できるための情報提供をしたい。

 

 ——安全衛生に関して。

 

 19期の休業災害報告は41件で、災害の型で分類すると「転倒」「挟まれ」「巻き込まれ」が多く、半数以上は類似災害だ。対策をしっかり講じることで休業災害は減らすことができる。

 19期途中からは、ゴム連合が発信する休業災害速報に「点検ポイントチェックシート」を添付し、類似災害防止に取り組んでいる。「安全は全てに最優先する」というゴム連合の基本姿勢のもと、各単組には自分ごととして災害対策に取り組んでほしいと考えている。

 (以下、本紙で全文を掲載)

【関連記事】