新ISOホイール特集2010 装着車への適切な対応を啓発

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カテゴリー: 新ISOホイール

安全の基本は点検・整備

 国土交通省自動車交通局技術安全部 島雅之整備課長に聞く

国土交通省の島課長
国土交通省の島課長

 自動車は経済性に優れ便利な乗り物であるが、一方で“安全”が保たれなければいけない。“安全”の基本というのは、車が走るためのタイヤにあるともいえる。車が市場に出てユーザーにわたる段階だけでなく、実際に使われる中で初期の性能をきちんと維持していくことが重要で、そのためには定期的な点検・整備が基本となる。

 大型車の車輪脱落事故も、やはり点検・整備が不十分であることに起因する事例が大勢を占めており、車輪脱落事故防止の観点からも、第一に点検を怠らないことが最も重要であると考えている。

 とくに大型車の場合、一旦事故が起きれば、その影響は乗用車と比べものにならないほど甚大。それだけに大型車を使われている方には、一般の乗用車ユーザーとは違うということを改めてご認識いただきたい。とくに整備の現場に携わる整備事業者さん、実際に使用される運送事業者さん、バス事業者のみなさんには、是非、日常の点検・整備を徹底してほしい。

 今年も北の方では霜が降り始め、冬シーズンが本格化してくる時季。冬タイヤへの交換時期という季節の特異性もあり、国土交通省としても、これから冬にかけての事故防止を重視している。タイヤ業界のみなさんにも、安全啓発の取り組みを徹底していただき、今後も継続的な車の安全使用に貢献していただきたいと考えている。

 運送事業者さんを取り巻く経営環境は非常に厳しい現状かも知れないが、それを理由に安全を担保する点検・整備が疎かにならないよう、お願いをしたい。

安全面を重視した啓発活動を

 JATMAタイヤ検査・事故防止部会 上田健一部会長に聞く

 日本自動車タイヤ協会(JATMA)では日本自動車工業会が作成したパンフレットをもとに、タイヤ整備の作業者向けにより分かり易いパンフレットとポスターを作成して、今年2月から会員タイヤメーカーの系列販売会社を通じてタイヤ販売店、タイヤ専業店、その他広く配布している。運送会社、バス会社なども含め、安全性に関わる作業方法の変更点を啓発していく使命があるだろうと判断し、このような活動を行っている。

タイヤ協会の上田部会長
タイヤ協会の上田部会長

 今回の大型車ホイール規格の変更では、従来のJIS方式と新・ISO方式(従来ISO方式含む)はまったく互換性がなく、誤って使用した場合に事故に至る危険性が予想される。元来、われわれにはタイヤに関する事故防止という大きな使命があるわけで、とくに安全面を重視した啓発の資料を準備する必要があると考えてのことである。

 今年発売の車両から新・ISO方式ホイールが採用され始めたばかりなので、最初のうちは車両数も少なく、整備現場で従来のものと混同するようなことは殆どないと思うが、やはりよく知っておいてもらわないと困る。今後おそらく10年、20年かけて徐々に変わっていく、非常に足の長い話になる。それだけに意識して、店に入ってきた車両がJIS方式か新・ISO方式かあるいは従来ISO方式かをきちんと識別して作業を行うことが大切。

 ISO方式の特徴は、シンプルな構造でタイヤ交換や日常点検・整備がし易い、長く使ってもホイールボルト、ナットの傷みが少ない、部品が少なく部品管理が容易、誤組のリスクも少ないなどメリットは多い。ただ、長年慣れているJIS方式とは作業の仕方、管理の仕方が違うので、それを理解し、正しい作業方法に十分気をつけてほしい。JATMAとしても継続して啓発活動を行っていきたいと考えている。


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