日本ミシュランタイヤは8月29日に都内で会見を開き、北米などで人気の高い「BFグッドリッチ」ブランドのトラック用タイヤを国内市場に初めて導入すると発表した。初年度の今年は4つのスペックを投入する。これまでアプローチできていなかったユーザーを掘り起こすとともに、取り扱い販売店の拡充にも乗り出す。
同社では従来、トラック用タイヤではミシュランブランドのみを販売し、リグルーブやリトレッドなどソリューションビジネスを推進してきたが、「イニシャルコストの面から合わないユーザーもいた」(トラック・バスタイヤ事業部の高橋敬明執行役員)という。一方、BFグッドリッチは、初期費用が2割程度抑えられる見込み。今後、商品を拡充して2020年までに数量ベースでトラック・バス用タイヤ事業全体の1割に引き上げる。
BFグッドリッチブランドからTB用4パターンを投入
日本ミシュランタイヤは、BFグッドリッチブランドのトラック用タイヤとして3商品から4パターンを投入すると発表した。主にトレーラー向けの商品となっている。
第1弾として9月1日から「ROUTE CONTROL S」(ルート・コントロールS)と「CROSS CONTROL S」(クロス・コントロールS)を発売した。発売サイズはともに11R22.5で、価格はオープン。
「ROUTE CONTROL S」は、高速道路や一般道路、都市近郊などでの走行に適したモデル。トレッド部の最適な接地面形状により、高いライフ性能を実現したほか、V字溝が高い排水性を発揮し、ウエットグリップ性能を確保している。
一方、「CROSS CONTROL S」は、一般道路や都市近郊、オン・オフロード走行を想定しており、高い耐久性が特徴となっている。技術面ではトレッド部の損傷を抑制するコンパウンドやトレッドベルト、ケーシングを守るプロテクションプライを搭載したほか、サイドウォール部の最適化により接触による損傷を抑制している。
さらに、11月にはトレーラー専用タイヤの「ROUTE CONTROL T」(ルート・コントロールT)を発売する。サイズは265/70R19.5と385/65R22.5の2スペックで、価格はオープン。専用コンパウンドや石噛みを防止するグルーブを採用し、厳しい使用条件においてもカットやチッピングのリスクを軽減する。
同社では「国内ではトレーラー輸送の増加が見込まれるが、ドライバー不足といった課題もある。今後のトレンドを見据え、必要とされる商品でユーザーの選択肢を増やす。そして輸送業界が抱える課題に応えていく」としている。
さらに今回の「BFグッドリッチ」は、ミシュランブランドの取り扱い販売店から「国内メーカーが幅広いゾーンを展開しているのに対し、価格競争力のあるタイヤが欲しい」という声にも応えるという側面もある。既存のミシュランディーラーだけでなく、新規取り扱いチャネルの拡大を推進することで国内市場でのシェア向上を目指す。
なお、「来年1月からパターンやサイズを増やしていく」としており、今後1年以内に3、4商品をラインアップに追加していく考えだ。