中国の青島双星(ダブルスター)による韓国のクムホタイヤの買収計画が白紙になったことが分かった。9月12日にダブルスターがクムホタイヤの債権団から受領した株式売買契約解除の合意書にサインしたと現地の複数のメディアが伝えた。債権団は9月上旬、ダブルスターからの買収額引き下げの要求を拒否し、交渉が決裂した。
ダブルスターは今年3月、クムホタイヤの債権団が保有するクムホ株の約4割を9950億ウォン(約993億円)で取得することで合意した。その後、クムホブランドの使用料に関する交渉で債権団が年間売上げの0.5%を支払うよう要求しているのに対し、ダブルスターは0.2%に固執するなど、双方の意見の隔たりがあった。
ただ、最大の争点となったのは買収価格の再交渉だ。ダブルスターはクムホの業績悪化を理由に、買収価格を8000億ウォンに引き下げるよう債権団に要求したが、受け入れは拒否された。なお、クムホタイヤの2017年上半期の営業損益は507億ウォン(約49億円)の赤字だった。
一方、債権団はダブルスターとの契約解除を表明するとともに、クムホ側に自己救済計画を提出するよう求めた。クムホは9月13日に救済計画を出したが、承認されなかった。計画では中国にあるタイヤ工場を6300億ウォンで売却し、また株主割当増資で2000億ウォンの資金を調達するなどの内容が含まれていた。