【横浜ゴム】「ADVAN dB V552」発表 次の100年に向け商品拡充

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カテゴリー: ニュース

 横浜ゴムが2017年に新モデルを相次いで市場投入している。国内では8月にSUV・ピックアップトラック向けマッドテレーンタイヤ「GEOLANDAR(ジオランダー)M/T G003」、9月には乗用車用スタッドレスタイヤ「iceGUARD(アイスガード)6」と大型商品を立て続けに上市。また11月にはフラッグシップブランド「ADVAN」(アドバン)からプレミアムコンフォートタイヤ「ADVAN dB V552」(アドバン・デシベル・ブイゴーゴーニ)を発売する。さらに年内に生産財カテゴリーで主力となる新商品を発表する予定で、海外市場を含めると、年間では従来の約2倍となる十数商品に達する勢いだ。創立100周年、さらに次の100年に向けて攻めの姿勢を強めていく。

 横浜ゴムは10月13日に創立100周年を迎える。同社が9月26日に栃木県内のホテルで開催した「ADVAN dB V552」の商品説明会で、消費財製品企画部製品企画1グループの大前貴睦グループリーダーは、「新商品は次の100年に向けた最初の大型商品」と紹介し、「これまで培ってきた技術を結集し、ヨコハマ史上最高の静粛性を実現した」と自信を示した。

ADVAN dB V552
プレミアムカーのニーズに対応した「ADVAN dB V552」

 新商品のメインターゲットとなるセダンは、SUVなどの人気に押され全体的に低迷が続いているが、輸入車を含めたプレミアムクラスに限れば、販売は増加傾向にあるという。今年に入ってからもトヨタなどから高級セダンの新型車が複数発売され、“セダン復権”をアピールする動きが活発だ。またハイブリッドカーあるいは、今後の普及が見込まれる電気自動車のユーザーからも静粛性へのニーズは一層高まっている。

 こうした市場環境を背景に誕生した新商品のコンセプトは“車内の空気感を変える、かつてない静粛性”。2009年に発売した従来品(ADVAN dB V551)の後継モデルとして8年ぶりのリニューアルとなる。14~18インチの全24サイズを11月1日から発売し、来年の春以降にサイズバリエーションを倍増させることで幅広い車種に対応する。

 今回、技術面では「パターンからプロファイル、構造、部材レベルの設計まで全てを見直し、緻密に作り上げた」(野呂政樹常務執行役員)。その結果、静粛性を大きく向上させ、ロードノイズは従来より32%の低減を図った。

ADVAN dB V552
「ADVAN dB V552」

 また、「A.R.T.ミキシング」と呼ばれる独自の配合技術を基幹商品では初めて活用した。これはシリカの分散性をこれまでより1割ほど改善するもので、ウェット性能と低燃費性能の向上に寄与する。従来品と比較すると転がり抵抗を5%低減しつつ、ウェットブレーキ性能は6%短縮、ウェット路面での操縦安定性は8%向上させている。国内タイヤラベリング制度では、全サイズで転がり抵抗性能は“A”、ウェットグリップ性能は19サイズが最高グレードの“a”を獲得した。

 同社では数年前から国内リプレイス市場で、数量より利益を重視した“商売の中身”の改革に取り組んでいる。その一環として、「アドバン」や「BluEarth」(ブルーアース)シリーズなどプレミアムカテゴリーの販売を強化する方針を掲げており、今回の「ADVAN dB V552」はその戦略を支える柱の一つとなっていく。


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