ブリヂストンの津谷正明CEOは12月1日に東京本社で開いた会見の中で、神戸製鋼所や東レ子会社など国内の製造業で品質データの改ざんといった不祥事が続いて発覚したことについて、「日本式の曖昧な部分が変わる時期に来ている。契約社会、訴訟社会に徐々に移行していくのではないか」と見解を示した。
その上で「米国では厳しい契約があり、違反したら損害賠償になる。日本的な曖昧な状態は時間をかけても変えていかないと時代に合わなくなる」と指摘した。
一方で「日本のものづくりが揺らいでいるとは思っていない。日本人の真面目さは変わらない」とも話した。
企業文化の育成を推進
会見では2017年の事業環境を振り返るとともに、従来から経営の最終目標として掲げてきた真のグローバル企業に向けた取り組みの進捗状況を説明した。
西海和久COOは、「自動車産業が100年に一度の転換期を迎えている中、商品やサービスに対する期待値が変わってくる。ソリューションを提案できるような力を付けていくことが大切になる」と述べた。
また、津谷CEOは年内に刷新する米国事業の本社を「新しい働き方がコンセプトのオフィスになっている」と紹介。「ここで実験したものを改善して世界に展開していく」と話し、経営の重点課題として掲げているグローバル企業文化の育成を一層進めていく考えを示した。
なお、2018年のグローバルでのタイヤ需要は、「トラック用や鉱山用など生産財タイヤは需要が強く、その傾向が続く」としている。