ブリヂストンは5月17日、ゴムのしなやかさと樹脂の強靭さを兼ね備えたポリマー「ハイ・ストレングス・ラバー」(HSR)を開発したと発表した。2020年代の実用化を目指す。
同日、都内で開いた会見で松田明常務執行役員(グローバルイノベーション管掌)は、HSRが「次世代のモビリティに確実に貢献する」と紹介した。
新開発したポリマーは、独自の改良型ガドリニウム触媒を用いて、汎用な材料であるブタジエンやイソプレンなどの合成ゴム成分とエチレンなどの樹脂成分を結び付けたもの。分子レベルでの結合は世界で初めて。一般的な合成ゴムよりも強度がある天然ゴムと比較して、耐亀裂性が5倍以上、耐摩耗性が2.5倍以上、引張強度が1.5倍以上の高強度を実現した。
これにより、タイヤの軽量化に向けてゴム量を減らすことができ、車両の燃費向上や資源の有効活用にも繋がることが期待される。
またHSRはゴムと樹脂の成分比率を任意にコントロールできるため、プラスチックに近い特徴を有するものからゴムシートに近いものまで、様々な素材を作り出すことが可能という。
同社では今後、オープンイノベーションを活用し、タイヤ以外の製品への適用も検討していく。