タイヤ向けスチールワイヤーなど鋼線メーカーの世界最大手、ベルギーのべカルト社は日本法人が設立50周年を迎えたことを機に6月5日、都内で会見を開いた。出席したマシュー・テイラーCEOは、「グループの売上高の10%は日本企業によるものだ」と日本市場の重要性を話し、その上で「常に革新を求めて改善を行い、ソリューションを提案していく」と今後の展望を述べた。
べカルト社はタイヤコードで世界シェア3割のトップ。国内4社を含めた世界の主要メーカーに製品を供給しているほか、軽量でノイズ低減や転がり抵抗低減に繋がる新技術を複数のメーカーと共同で開発している。
タイヤ向け製品は将来的にも安定的な需要が見込まれており、「今後10年間は年率4%の成長が期待できる。特にインドや東南アジアでの需要が伸びる」(同社)としている。
日本法人は1968年にブリヂストンとの合弁企業を支援することを目的に、在日ベルギー法人べカルトジャパンNV東京支社として設立した。1970年にはブリヂストンと共同でブリヂストン・ベカルト・スチールコード株式会社を設立してスチールコードの国内生産を開始。2006年に現在のべカルトジャパンとなった。
日本法人の中辻匡之カントリーマネージャーは、「新しいビジネスモデルで成長分野に注力するとともに、プロダクトリーダーからソリューションリーダーになっていく」と意気込みを話した。