住友ゴム工業は欧州市場のタイヤ販売量を2022年までに現在の約1.6倍となる2000万本レベルへ引き上げる。今後、欧州カーメーカーのプレミアムモデル向けに新車採用を進めるほか、FALKEN(ファルケン)ブランドの取り扱いタイヤディーラーを5割程度増やす。
同社は2015年に欧州市場向けのタイヤ供給拠点としてトルコのチャンクル県で工場を稼働した。また同じ時期に米グッドイヤーとの提携を解消したことで、経営の自由度が高まった欧州で事業展開を加速している。2017年には英国のタイヤ販売会社、ミッチェルディーバー社を買収したほか、ドイツにテクニカルセンターを設立するなど欧州域内での開発から生産・販売体制を構築してきた。販売拡大に伴いトルコ工場の生産拡張も進めており、生産品目を現地でニーズが高く、競争力がある高性能タイヤにシフトさせていく。
10月5日にトルコ工場で会見した住友ゴムの黒田豊取締役常務(欧州・アフリカ本部長)は、「現時点で欧州のシェアは3%程度だが、2020年から22年に5%にして存在価値をアピールできるようにしたい」と展望を話した。
トルコ国内市場での販売も強化する。2022年にはほぼ全量をトルコ工場から供給できるようになる見込みで、年間100万本の販売を目指す。