タイヤ公正取引協議会(タイヤ公取協)が取り組んでいる広告物に関する事前相談で、インターネット広告やウェブ動画に関する相談が急増している。スマートフォンの普及などを背景に消費者の動画視聴時間は今後も増加していくと見込まれており、同会では規約違反を未然に防ぐために過度な表現がないかどうかなど、事前の内容チェックを幅広く呼び掛けていく。
2018年度上半期(4~9月)の事前相談件数は1万3990件となり、前年同期比で0.9%の減少となった。従来から主流のチラシやPOPがともに減少したことが一因とみられる。
一方、動画やテレビCM、カタログ、販売マニュアルなど「その他」に分類している相談は2448件と前年の約1.5倍に増加し、全体に占める割合も17.4%に拡大した。その中でもウェブ広告・動画に限ると件数は前年の2.4倍(478件)と大幅に増えたことが分かった。ネット広告はあらゆる業種で伸長していることから、今後も増加傾向が続いていくことは確実視されている。タイヤ公取協では「拡散性があり、多層構造になっていることが多いウェブ広告の相談は、より慎重に確認する必要がある」としている。
事前相談制度は2007年度に開始し、企業のコンプライアンス意識の高まりから数年前より相談件数が急増している。ただ、規約の違反件数は毎年減少しており、上期に何らかの違反があったのは、8.8%(1238件)と、前年より0.4ポイント減った。