日本自動車タイヤ協会(JATMA)は10月23日、東名高速道路・浜名湖サービスエリアでタイヤ点検活動を行った。この活動は1969年から実施しており、今年で50回目を迎えた。この数年、乗用車などでタイヤの空気圧不足が増加傾向にある中、同会では今後も啓発活動を継続することで、安全な車社会に貢献していく。
JATMAの浜名湖サービスエリア点検活動の主な目的は、タイヤに起因する事故の未然防止とタイヤの使用実態の把握、タイヤの適正使用・管理方法の啓発の3点。当日はサービスエリアを利用するドライバーのタイヤ空気圧や摩耗状況、外傷の有無などを点検したほか、リーフレットやノベルティグッズを配布してタイヤの適正使用を呼び掛けた。
開会式で挨拶に立ったJATMAの清水隆史会長(東洋ゴム工業社長)は、「タイヤは路面と接する唯一の自動車部品であり、安全に走行するためには日常のタイヤ点検と整備が重要となる」と話した。その上で、「当会では年間を通じて啓発活動を推進し、タイヤの点検整備を訴求している。ユーザーと直接コミュニケーションを行い、点検整備の重要性を知って頂ける貴重な機会であり、タイヤの適正使用へつながるように取り組んでいく」と今後も活動に力を入れていく考えを述べた。
近年、空気圧不足をはじめとしたタイヤの整備不良が目立ってきているという声は業界全体で多く上がっている。実際、JAF(日本自動車連盟)のロードサービスでも全体の件数は減少しているのに対し、パンクによる救援は増加傾向にあることが分かっている。セルフ式ガソリンスタンドが増えたことにより、空気圧をチェックしてもらう機会が減ったことなどが理由として挙げられているほか、タイヤの空気圧を毎月点検するドライバーは2割以下という調査結果もある。
一方で将来的にカーシェアリングなどが普及した際には「自分の車」という意識が低下し、適正管理に対する関心が薄くなることも懸念されている。
タイヤの日常的な点検整備が、バーストや脱輪といった重大事故を未然に防ぐために重要となることを広く伝えることがより一層求められそうだ。