東洋ゴム工業は11月1日、三菱商事と資本業務提携すると発表した。また三菱商事を引受先とする509億円の第三者割当増資を実施する。三菱商事の持株比率は6月末時点の3%から20%に上がり東洋ゴムの筆頭株主となる。
両社は1974年のオーストラリアを皮切りに、欧州や中国、カナダ、ロシアなど海外市場でタイヤ販売の合弁会社を設立し市場開拓を進めてきた。 今回、資本提携を行うことで三菱商事の海外でのネットワークを活用して販路拡大につなげていくほか、外部との連携も視野に入れた将来のタイヤ技術開発も推進する。
また、三菱商事から営業部門や管理部門で幹部人材を受け入れる。東洋ゴムでは「コーポレート機能のリソース強化を実現していくことにより、更なる成長に向けた基盤固めのステージアップが可能となる」としている。
調達する資金は北米やマレーシアの既存工場の生産能力増強、トラック・バス用タイヤの製造設備の増強のほか、今後新たに建設する生産拠点の費用に充てる。新工場は現在候補地の検討を進めており、操業開始当初は最大で年産約400万本の能力を予定している。また、東洋ゴムが従来から強みとしているトラック・バス用タイヤ事業では「技術優位性の高いタイヤメーカーとしてのポジションを獲得していく」(同社)方針で、2020年末までに年産約20万本の増産を計画している。