この数年、タイヤのパンクやバーストに関するトラブルが増加していることが、JAF(日本自動車連盟)が実施しているロードサービス状況から分かった。ロードサービスの総件数は減少傾向にある中、タイヤのパンクによる救援依頼は毎年増えている。背景にはセルフSS(給油所)の増加により、日常的に空気圧点検を行う機会が減ったことがあるようだ。
バッテリー上がりやキー閉じ込みなどを含めたJAFの2018年度上期(4~9月)のロードサービス救援件数は112万7480件で、このうちタイヤに関する救援依頼は22万4173件だった。
10年前の2009年度上期と比較した場合、総件数は7万6196件(6.4%)減少した一方、パンクに関するロードサービス件数は8万6189件(1.62倍)増加した。ロードサービス全体に占める割合は8.42ポイント増えて19.88%に高まった。
その要因として、多く挙げられているのはセルフSSの拡大だ。2018年3月末時点の全国の給油所数は3万747カ所と23年連続で減少し、1994年度のピーク時からほぼ半減した。その一方でセルフSSの出店数は9928カ所と19年連続でプラスとなった。セルフSSが占める割合も32.3%となり、10年前から倍増している。
今後もセルフ化が進行し、タイヤ点検の機会が一層少なくなっていくと予想される中、ドライバーの安全を守るためにも今まで以上に積極的な啓発が求められそうだ。