適正なタイヤの点検や管理が依然として進んでいないことが、JATMA(日本自動車タイヤ協会)の「東名高速道路におけるタイヤ点検」(10月23日、浜名湖サービスエリア)で明らかになった。
この点検活動は、タイヤ整備不良に起因する自動車事故の未然防止を図ることを目的に、東名高速道路が全線開通した当初より実施しているもので、今年で50回目となった。
JATMAが11月21日に公表した点検結果によると、今回の点検台数は乗用車、大型バス、トラックの合計178台。
車種別にみると、乗用車の不良率は42.9%、大型バスが5.9%、トラックが45.7%となり、乗用車とトラックは2016年に実施した前回の活動より悪化した。
タイヤ整備不良項目のワースト1は乗用車が「空気圧不足」、大型バスが「偏摩耗」、トラックが「タイヤ溝不足」となった。
こうしたタイヤ不良率の高止まりは数年前からさほど改善しておらず、特に乗用車の空気圧不足はここ数年、3割~4割台と高水準で推移している。メーカーや関係団体が積極的にタイヤの日常点検を訴求しているものの、依然としてユーザーにその重要性が浸透していないことがうかがえる。
またトラックや大型バスの場合、整備不良項目の上位に入るのは「溝不足」と「偏摩耗」。これらは安全性や燃費への影響はもちろんのこと、振動や騒音の原因にもなる。
タイヤの適切な使用や確実な管理がドライバーの安全だけではなく、環境貢献や経済性向上にも繋がることを広く認知させていくことが改めて重要になってくる。