日本ミシュランタイヤは来年以降、生産財タイヤの各カテゴリーで販売量を3~6%程度引き上げる方針だ。トラック・バス用タイヤをはじめ、建設機械用や産業車両用など生産財タイヤをトータルで提案する新組織、B2Bタイヤ事業部を今年発足させており、準備期間を経て来年から本格的に攻勢を強めていく。
同社は昨年まで生産財タイヤで各カテゴリーごとに部門を分けて、それぞれがユーザーへ提案を行っていたが、今年1月に生産財タイヤ全体をパッケージとして対応する体制に移行している。
ただ、生産財タイヤのユーザーは業種が多岐にわたり、それぞれ課題やニーズが異なるため、セールススタッフにはより専門的な知識が求められるケースが多い。
B2Bタイヤ事業部の高橋敬明常務執行役員は、「簡単に組織改正のシナジーが出るかというと、まだ課題はある。今までトラック用を担当していたスタッフがフォークリフトやクレーンも販売できるようになるには目標が曖昧だった」と話す。一方、2018年中には研修をほぼ終える計画で、今後はユーザーの意見を聞きながら積極的な提案活動に取り組む。
高橋常務は「2019年からシナジー効果が目に見えてくるようにしなくてはいけない」と意欲を示す。顧客に合った提案を行えるように組織力を強化することで、トラック用タイヤで前年比3~4%、大型の建設機械用タイヤは最大で6%程度販売量を引き上げていく考えだ。