「X one」テーマに150名参集
日本ミシュランタイヤは9月11日、都内でトラック・バス用ワイドシングルタイヤ「X One」をテーマとした「アドバンスユーザーミーティング」を開催し、運送会社やトラックメーカー、タイヤディーラーなど、昨年の約3倍となる100社から合計150名の関係者が参加した。会場では同社のTB事業の取り組み状況や「X One」の導入事例の紹介が行われたほか、2016年に「X One」の新商品を発売することが発表された。
同社では「常に新しいことにチャレンジし続け、輸送効率削減や経費削減などに取り組んでいる運送会社」を“アドバンスユーザー”と位置づけており、これまで様々な情報発信を行ってきたが、今回は規模を拡大して開催したもの。
「X Oneはマーケットにおける変革だと自負している。物流業界を変革させるために色々な方に集まって頂き、意見を醸成して頂きたい」――今回のイベントの意義について、トラック・バスタイヤ事業部の高橋敬明執行役員はこのように話す。
ミーティングの席では、「X Oneは燃費削減と輸送量を増やすための最大の切り札である」と紹介し、販売店やサプライヤーと協力しつつ、取り組みを推進していく考えを示した。その上で、今後のTB事業について「運送会社の最適なコストをパートナーディーラーと模索しながら3Rの提案をさらに強化していく」と意気込みを語った。
今回「X One」を導入した運送会社の立場からプレゼンテーションを行ったタカラ物流システム株式会社の丸山利明常務執行役員は、その効果について次のように話した。
「当社は親会社である宝酒造の荷物を安全安心に運ぶという使命のもと、X Oneを装着してコストダウンを図っている。車両のメリットとしては10%積載効率が向上した。また1軸あたり約100kgの軽量化を実現し、燃費は3.5%改善(月間5000km走行)することができた。軽量、低燃費効果、長寿命・省メンテナンス効果などが出たが、ドライバーには違和感がなくスムーズに旋回できる点でも評判が高い」
またミシュランに対しては、「X One」のリトレッドの実現やタイヤ管理に関するサポート体制の充実を要望した。なお同社はすでに4台の車両に「X One」を装着しているが、今年度中にさらに2台を導入する計画だという。
会場の駐車場には、運送会社の協力のもと「X One」を装着した国内4メーカーの車両が展示されたほか、ミーティング後に開かれた懇親会で参加者らは活発な意見交換を行った。
同社では今回のイベントで出された意見を参考に、「X One」のOE装着拡大やリトレッドの早期実現に向けて事業展開を加速させていく。
2016年に新商品を発売
日本ミシュランタイヤはミーティングの中で2016年に「X One」の新商品「X OneマルチエナジーT」を発売すると発表した。現行モデル「X One XTE」の後継製品となる。北米市場では2015年中の発売を予定しており、日本は世界で2番目の導入となる。
新商品はタイヤの接地面を最適化する「アドバンス・ケーシング・テクノロジー」と、インフィニコイルを進化させ、より均一な接地面を確保する「ワイド・インフィニコイル」を採用することで偏摩耗の大幅な抑制を実現した。また新たに開発したコンパウンドを採用し、転がり抵抗は現行品比15%の低減を達成している。