「他社にはない付加価値の高いモノづくりを」
東洋ゴム工業は5月8日、マレーシア北部のペラ州に約200億円を投じて建設した新工場の竣工式を開催した。日系タイヤメーカーがマレーシアに新工場を構えたのは同社が初。生産能力は、2015年までに年間500万本を予定している。将来的には年産1000万本規模へ能力増強を視野に入れており、すでに同国へ進出している欧米メーカーの生産拠点を抜き、マレーシア最大の生産能力を有する巨大工場となる。今後も成長が見込まれる東南アジア市場、さらにグローバルへの輸出基地として活用していく。
開所式には東洋ゴム工業の中倉健二代表取締役会長やトーヨータイヤマレーシアの笠井完二社長、マレーシア政府関係者ら総勢約350名が出席した。
式典で挨拶に立った中倉会長は次のように述べた。
「2015年までに年産500万本のタイヤ供給を可能とし、マレーシアを代表するトップクラスのタイヤ工場となる。将来的に、同じ規模の建屋を敷地内に建設することが可能で、2015年以降はさらに生産規模を引き上げていきたいと意気込んでいる。
新工場はマレーシアの同業他社にはない付加価値の高いモノづくりを実現する。当社は世界的にも最高クラスの高精度なタイヤ生産技術を有しており、その新工法(A.T.O.M.=アドバンスド・タイヤ・オペレーション・モジュール)の要素技術を導入した。
マレーシアにおいてジャパン・テクノロジーを駆使し、ジャパン・クオリティを実現する。そしてマレーシア発の素晴らしいタイヤを国内外のお客さまにお届けし、『TOYO TIRESを選ぶことが正しい選択である』という安心を実現していきたい」
新工場は、同社にとって自前のタイヤ海外生産拠点としては、米国(TNA)、中国(張家港)に次ぐ3番目の工場。同社は中期経営計画の中で北米、日本、アジアの3極を基点とした供給体制の構築を掲げており、とくに成長著しいアジア地域を「事業基盤を押し上げる重要な戦略市場」と位置づけている。