横浜ゴム オランダのATGを1300億円で買収 生産財事業を強化

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カテゴリー: ニュース
横浜ゴム南雲忠信会長
横浜ゴムの南雲忠信会長

 横浜ゴムは3月28日に都内でオランダの農機用・建機用タイヤメーカー、アライアンス・タイヤ・グループ(ATG)買収に関する記者会見を開き、生産財事業を大幅に強化すると発表した。米投資ファンド、KKRおよびATGの株主から11億7900万ドル(約1356億円)で全株式を取得し、7月1日までに買収を完了する予定。今後も安定した成長が見込まれる農業機械タイヤ事業に参入することで収益力の向上を図る。

 ATGは2006年に設立し、農業機械用をはじめ、産業機械用や建設機械用、林業機械用など生産財タイヤの製造・販売に特化したメーカーで、中でも農機用タイヤが得意分野の一つ。従業員数は約5400名。現在はインドで2工場、イスラエルで1工場を操業している。地域別売上構成比は欧米で9割強を占めるほか、世界120カ国以上で販売している。日本でも一部の農業機械関連企業が輸入販売を行っている。

 ATGの2015年12月期の連結売上高は5億2900万ドル、営業利益は9500万ドル。米ラバー&プラスチックニュースによると世界ランキングは41位(2014年売上高ベース)。営業利益率は2015年の18%に対して2016年は20%まで伸長すると見込まれている。

 横浜ゴムは今回の買収により、生産財ビジネスにおいて農業機械用タイヤ、林業機械用タイヤが新たにラインアップに加わることになる。

 同社は2017年を最終年度とした中期経営計画「GD100」フェーズⅣ(2015年~2017年)に取り組んでおり、タイヤ事業戦略の柱のひとつとして「生産財タイヤ事業の拡大に向けた戦略」を掲げている。

 これまで鉱山・建設車両用超大型ラジアルタイヤの開発・拡販に取り組んできたほか、昨年10月には米国ミシシッピ州にトラック・バス用タイヤの新工場を稼動させ、事業を強化してきた。

 とくに世界的な人口増加による食料需要増などから農業機械の需要は毎年5%以上伸びると予測されることから、農業機械用タイヤは今後も安定した成長が見込まれている。今回の買収により生産財タイヤ事業を一層拡大させ、グローバル展開を加速させていく考えだ。なお業績への影響については、現在精査中としている。

 会見で南雲忠信会長兼CEOは「両社の売上高を合算すると7252億円となり、2017年度に7700億円という目標が達成できる規模になった」と話した。


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