住友ゴム工業の2018年業績は過去最高の売上収益を達成したものの減益となった。天然ゴム価格は安定的に推移し原材料が30億円プラスに寄与したほか、価格改定による価格38億円が増益要因だった。一方、中国での高インチタイヤの販売需要減や、グローバルでの増産投資などが利益を押し下げる要因となった。
2月13日に都内で開催した会見で池田育嗣社長は「中国は利益率が高いため大きな影響があった。欧米での販売は好調だったが、供給が追いつかなかった部分がある」と語った。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は前年比1.5%増の7680億1200万円、事業利益は12.3%減の511億8700万円となった。
全体のタイヤ販売本数は前年と同水準の1万2361本で、国内新車用は3%増、国内市販用は前年並みだった。海外新車用は6%増、海外市販用は欧州を除いて前年実績を下回り全体で2%減少した。
欧米では、グローバルブランドのファルケンの拡販を推進し、両市場で販売本数は2ケタ伸長した。欧州では、英ミッチェルディーバー社の小売チェーンの店舗数が2017年の買収当時から昨年までに1.5倍となったほか、両市場で新車装着拡大や開発・生産体制の強化を進めた。
中国市場については、「中国政府の環境規制でタイヤショップが閉鎖に追い込まれた中、補修用はBtoBで新たな取り組みを行い、8月からかなり挽回できた」(池田社長)としており、補修用は対前年で約97%まで回復。一方、新車用は日系カーメーカー向けは順調だったが、ドイツ系のメーカーが落ち込んだことで対前年比94%程度にとどまった。