ブリヂストンは4月11日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車と共同で「国際宇宙探査ミッション」に挑戦すると発表した。月面を走行するモビリティ「有人与圧ローバ」に装着するタイヤ(接地体)の研究を推進していく。
このミッションはJAXAとトヨタが「人類の活動領域の拡大」と「知的財産の創出」を目的に3月に発表したもの。その中で「有人与圧ローバ」を月面で接地させることが課題となっているが、あらゆる路面に対するブリヂストンの知見や技術力が評価され、チームに加わることになった。
月面では温度変化が激しく、路面が崩れたり埋まったりすることがあるという。タイヤにはこうした過酷な環境の中で車体の重量を支え、駆動力や制動力を伝える必要があるほか、方向転換や路面変化に追従することも求められる。同社ではこれらを実現するしなやかで強靭なタイヤの開発に挑戦していく。なお、現時点で金属性の素材などを採用することを検討している。
また、4月10日に米国で開催された第35回スペースシンポジウムでのJAXAのセッションで登壇したブリヂストン子会社のニザール・トリギィCTOは、「当社は企業理念の中で“進取独創”と掲げているように、創業より将来何が起こるかを想像しより一層社会の役に立つ様々な創造に積極的に挑戦し、これまでもあらゆる環境にも適応する革新的な製品・ソリューションを実現してきた。今回の挑戦もその一環として、積極果敢に取組んでいきたい」と述べた。