タイヤ公正取引協議会は5月28日、都内で総会を開き、会員企業などが多数参加した。総会後の懇親会に出席した国内タイヤメーカーの関係者に最近のトピックをきいた。
ブリヂストン 江藤彰洋COO兼社長
(1月に社長に就任しての感想は)「これまでもCFOなどの立場にあり経営には携わっていたが、自分が直接対応しなければならない分野が広がりプレッシャーは大きい。もっと勉強が必要だと感じている」
(欧州事業について)「蘭トム・トムの子会社を買収したがこれは一つのツールに過ぎない。営業利益率10%を目指すには現状のままではいけない。既存の製造・販売ネットワークをもう一段、二段強化して利益を確保し、デジタルソリューションなどのビジネスに投入していく」
住友ゴム工業 山本悟社長
(社長に就任して今の思いは)「社長になって社内の元気さを改めて味わっている。池田育嗣前社長が築いてきたグローバルの生産ネットワークを活かし、今後の成長につなげることに注力していきたい」
横浜ゴム 宮本知昭執行役員
(国内市販タイヤの営業面での取り組みは)「タイヤラベリング制度のウェットグリップ性能“a”を訴求し、梅雨の時期にも販売の“山”を作りたい。国産として初めてウェット“a”を取得した軽自動車用タイヤも好評を頂いている。販売会社を通じて新しいツールを提供し、6月も底上げする」
TOYO TIRE 清水隆史社長
(足元で懸念していることは)「中国の経済状況を心配している。当社の中国事業の売上高は全体の2%程度ではあるが、米国向けタイヤに関税が追加されれば、米国以外の市場に輸出されるケースが増え、その市場が軟化する可能性がある。一方、米国では(安価な中国品が少なくなることで)インフレ傾向になるかもしれない」
清水会長「高いコンプライアンス意識が浸透」
タイヤ公正取引協議会の懇親会で挨拶に立った清水隆史会長(TOYO TIRE社長)は、「不当表示の未然防止に関する関心は年々高まっており、昨年度は3万件もの相談に対応した。会員の高いコンプライアンス意識の表れである」と取り組みの成果を話した。
その後、江藤彰洋副会長(ブリヂストンCOO兼社長)が「総会では活動をレベルアップするという報告があり非常に力強く感じた」と述べ、乾杯の発声を行った。また、中締めを務めた西潟幸雄副会長(全国タイヤ商工協同組合連合会会長)は、「この業界はほとんど違反事項はない。これからもクリーンでありたい」と意欲を示した。