ブリヂストンの欧州子会社は6月13日、車両のCO2排出削減に寄与する軽量タイヤ技術「Enliten」を発表した。転がり抵抗性能の向上や原材料使用量の削減が期待される。新技術では、摩耗や安全性などをトレードオフすることなく、転がり抵抗は標準のプレミアム夏タイヤと比較して約20%、タイヤ重量は約10%低減した。また、ハンドリングやスタビリティの向上にも貢献する。
技術面では、高い耐摩耗性能や浅溝を可能とするコンパウンド、薄く強靭なインナーライナー、専用の金型デザインを採用した。
同社では、「漸減傾向にある資源や気候変動は、環境と自動車業界に大きなプレッシャーを与えている」と、開発の背景を説明している。また、欧州では車両のCO2排出削減に向けてOEメーカーにとって厳しい目標が設定されたことを受け、「新技術はこのゴールを達成するためのブレークスルーソリューションである」とコメントした。
同社のパオロ・フェラーリ取締役兼CEO兼プレジデントは「2050年までに100%サステナブルマテリアル化を目指すブリヂストンの長期目標に向け、『Enliten』は重要なステップになる」としている。
なお、近く欧州市場で「Enliten」を活用したタイヤを装着した車両を公開する予定。