TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は2022年1月から稼働を予定しているセルビア工場の隣接地にプルービンググラウンド(テストコース)を開設する検討を始めた。工場で試作したタイヤをタイムリーに実車で試験できるようになり、高いレベルが求められる欧州の自動車メーカー向けに新車用タイヤなどの開発スピードを加速させる。
同社は国内の宮崎県と北海道でテストコースを運営しているが、海外では初の拠点となる見通し。施設のための用地は工場に隣接するエリアを想定しており、早ければセルビア工場が稼働するのと同じ時期から試験を始める。当初は直線コースのみを設置し、将来的には周回路などを拡張していく可能性もある。
自動車産業で技術の最先端とされる欧州市場はウェットやノイズ、ハンドリングといった性能への難易度が高く、開発も一層シビアになる。同社は今年秋に欧州初の研究開発(R&D)センターをドイツに開設することを決めており、欧州域内で工場とR&Dセンター、テストコースが連携することで、現地で求められる高性能タイヤの技術を確立し、グローバル展開していく体制を整える。