大型車(車両総重量8トン以上のトラックまたは乗車定員30人以上のバス)のホイール・ボルト折損によるタイヤ脱落事故が2018年度に81件発生したことが国土交通省のまとめで分かった。このうち、人身事故は3件あった。事故件数は3年連続で増加し、ピークだった2004度の87件に迫る状況だ。
今回の統計では、事故が発生した車両で左後輪に脱輪が集中していることに加え、新たにホイール・ボルトやホイールのサビの除去が不十分なままタイヤ交換されている可能性があることが明らかになった。国交省では「車齢4~6年を経過した車両の事故が多発している」としている。
また、事故は11月から2月に54件と多く起きている傾向に変わりはないものの、2018年度は冬期以外の発生が前年度から17ポイント増えた。地域別では、北海道や東北などの積雪地域で引き続き多くの事故が起きている。さらに、81件の事故のうち、タイヤ脱着作業後1カ月以内に脱落したケースが50件と7割弱を占め、11月から12月に作業をしたケースが6割以上となった。
増し締めの未実施や管理の不備などが多く見られている状況を受け、国交省では、関係団体と協力の上、適正な交換作業の実施や左後輪の重点的な点検をユーザーに求めていく。