ブリヂストンは11月21日、米子会社のブリヂストン・アメリカス・インク(BSAM)が再生カーボンブラック(rCB)を原材料に用いたタイヤを商用化したと発表した。2020年までに廃タイヤ約200万本のリサイクルを目指す。
rCBは廃タイヤを熱分解して製造したもので、米国で販売する一部のタイヤにはBSAMと提携関係にあるデルタ・エナジー・グループ・LLC社製のrCBを使用している。この材料は新品のカーボンブラックと同等の性能を有しながら、CO2排出量を約81%削減できる。
今後、2020年までに約6800トンのrCBを使用する計画。これにより、新品のカーボンブラックを使用した場合に比べて約1万900トンのCO2排出量の削減を目指す。
なお、rCBを利用したタイヤの販売は、100%サステナブルマテリアル化やCO2排出量の50%以上削減という「グローバル目標への貢献」といった、2050年を見据えた同社の環境長期目標の達成に向けた取り組みの一環となる。
また、独コンチネンタルは11月11日、化学品会社の独ピロリクスとrCBの供給に関する5年間の契約に合意したと発表した。グローバルでコンチネンタルのタイヤ工場に年間1万トンのrCBを供給する計画。
ピロリクスによると、300万本以上の使用済みタイヤを回収し、各工場でのCO2排出量を従来のカーボンブラックを使用した場合に比べて年間2万5000トン以上削減する見込み。同社は「この合意は、廃タイヤからのカーボンブラックの再生やグローバルでのrCBの受容に向けた我々のアプローチを証明する」とコメントした。
これまで両社は、様々なタイヤセグメントで製造時におけるrCBの使用を目指し、rCBの技術開発で提携していた。