仏ミシュランは12月12日、2050年までに全世界の工場で二酸化炭素を排出しないゼロ・エミッションを目指すことを明らかにした。また、2030年までに車両走行時のタイヤに関連したエネルギー消費量を1kmあたり20%削減するという。
同社の方針は、2015年の第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で定められた「パリ協定」に即したもの。生産や物流、使用時、開発といった全ての段階に適用する。
生産面では、同社の世界70拠点のうち5拠点では石炭を活用しているが、全ての工場で2030年までに石炭の使用を段階的に取りやめる。すでに欧州では、工場の85%で再生可能資源由来の電力を活用しており、2010年から2018年に二酸化炭素排出量を22%削減したという。
また物流面では、製造拠点の立地を考慮して販売エリアを制限するほか、空荷を避けるなど効率的な輸送を進める。
一方、製品面でも環境負荷低減への取り組みを推進する。同社では「より耐久性があり、安全でエネルギー効率が良いタイヤによって顧客経験を向上させる」とし、「製品のライフを向上させ、スリップサインが現れるまでハイパフォーマンスなタイヤを提供する」という。同社によると、スリップサインが現れるまでタイヤを使用した場合、年間で4億本のタイヤの無駄を削減し、3500万トンの二酸化炭素排出量を削減できる見込み。
同社のニコラ・ボーモン氏は「我々の目標は天然資源を守りながら多くの人々にとって高い価値を創造することだ」とコメントした。