2月17日までに行われた国内タイヤメーカー4社の決算説明会で、各社が将来に向けた施策や一部で業績低迷の要因となった海外工場での巻き返し策を語った。
ブリヂストンの石橋秀一副会長は、「タイヤ事業の基盤をしっかりしつつ、事業モデルを進化させる」と述べ、「モビリティソリューションなど新しい事業も今後強化していく」と研究投資への考え方を説明した。
トーヨータイヤも今後を見据えた戦略を推進していく。清水隆史社長は「2020年は成果の刈り取りと成長への種まきの重要な年」と強調する。下期はマレーシア工場で増産が始まることから「手の回っていなかったエリアでテコ入れを図り収益拡大につなげる」と意欲を示した。
米国や南アフリカなどの工場で収益化が遅れている住友ゴム工業は、利益を生み出す体質への転換が喫緊の課題だ。最新の設備を導入して生産性の改善を進めるほか、現地への支援体制を強化する。山本悟社長は「課題を一つひとつ潰し、この1年で基盤強化を仕上げる」と展望を述べた。
米国工場での生産立ち上げの遅れから一昨年に減損損失を計上した横浜ゴムは改善活動を進め、「計画したラインに乗ってきた」(山石昌孝社長)という。今期は北米の基盤を活かしたトラック用タイヤの拡販にも注力し反転攻勢に出る構えだ。