消費者の4人に1人が乗用車用タイヤの課金モデルに興味を持っていることが、コンサルティング会社のサイモン・クチャー&パートナーズジャパンの調査で分かった。
同社はこのほど、国内に在住する913人を対象にオンラインによる意識調査を実施。その中で月単位や年単位で料金を支払って利用する定額制(サブスクリプション型)、あるいは利用量に応じて料金を支払う従量課金制(従量制)でタイヤを利用することに24%が関心があると答えた。
生産財タイヤでは新品タイヤとメンテナンスなどを組み合わせてユーザーに定額制サービスを提供するケースが出てきているが、同社では「B to Cでもタイヤの新たな課金モデルの中に潜在的な収益向上の機会が埋もれている可能性がある」と指摘している。
また、今回の調査ではドライバーの走行距離に着目。年間走行距離が3000km未満の場合は、定額制よりも従量課金制の方が回答が高かったのに対し、1万1000km以上の場合は、定額制の方が関心が高いことも分かった。走行距離が短いユーザーはタイヤを使用した分だけ金額を支払うことで不必要な出費を抑えられる一方で、走行距離が長いケースは出費を一定にすることにより安心して多く走行したいという意思が見られるという。
さらに、消費者の年収が高くなるにつれ、定額制、従量課金制ともに関心が高まっていることも判明している。
同社では「新たな課金モデルはサービス提供者にとって収益が悪化するリスクがあるため、様々な課金パターンをシミュレーションした上で、課金パターンと課金額を決定する必要がある」と指摘する。その上で「新たな課金モデルを導入する際は、まずは富裕層をターゲットに展開すると、効率的に売上を伸ばすことができるのではないか」と推測している。
ただ、通常の割賦販売と明確に差別化するために、「一定の回数までノーマルタイヤと冬タイヤを交換可能とする、あるいは品質保証を厚くするなど、消費者のニーズをとらえた付加的なサービスを提供することを検討すべき」としている。
このレポートは同社の山城和人マネージングパートナーらが執筆した。レポートに関する問い合わせは(https://www.skp-japan.com/)まで。