2019年度の国内タイヤ販売本数 2年連続でマイナスに

 JATMA(日本自動車タイヤ協会)がまとめた2019年度の市販用タイヤの販売実績は、四輪車用合計で前年度比3.1%減の6929万2000本だった。前年度を下回るのは2年連続。昨年は各社が一斉に値上げを実施する前の7月、消費増税前の9月に販売が大きく上振れしたが、その後の反動減や降雪不足が響き、年間を通してみると新車用タイヤも含めて需要が低迷した。

2019年度のタイヤ販売本数月別の推移(写真等の無断複製・転載を禁じます)

 2019年度のタイヤの販売本数(四輪車用)は市販用と新車用を合わせて前年度比6.3%減の1億862万4000本だった。減少は2年連続で、市販用が7000万本を下回るのは2016年度以来となる。

 昨年度の販売をカテゴリー別でみると、乗用車用が3.1%減の5043万5000本、ライトトラック用は3.5%減の1345万5000本、トラック・バス用は1.5%減の540万2000本だった。

 市販用の販売実績を月別でみると、7月に大きな伸びがあるが、これは物流コストの高騰を受けて各社が8月から値上げを行う前の駆け込み需要が発生したため。特にトラック・バス用が前年同月比66.5%増と記録的な伸び率を示し、乗用車用は3割増、ライトトラック用も4割以上増加した。8月に販売は落ち着いたものの、消費増税前の9月に再び需要が拡大し、乗用車用とトラック・バス用は1割程度の増加となった。

 一方、下期は仮需の反動や暖冬の影響で苦戦した。年が明けても降雪不足は続き1月は2ケタのマイナスとなっている。

 新車用タイヤは四輪車用合計で11.4%減の3933万2000本と落ち込んだ。特に消費増税後の10月から今年3月まで6カ月連続でマイナスとなった。

 新型コロナウイルスの影響が国内市場にも波及し始めた3月のタイヤ販売は市販用、新車用ともに1割減となった。市販用では乗用車用タイヤが1割のマイナスとなり、履き替え需要の減少などが影響しているもようだ。さらに外出自粛要請や休業などが本格化している4月以降、人とモノの動きが停滞する中で、影響がどこまで拡大してくるのか懸念される。


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