JAFのロードサービスで「タイヤ関連」の救援依頼が拡大

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カテゴリー: ニュース

 JAF(日本自動車連盟)が実施しているロードサービスで、タイヤのパンクが更に増加していることが分かった。ロードサービス全体の件数はここ数年、減少が続いている一方で、タイヤ関連のトラブルが占める割合は増加しており、2019年度の構成比は19.02%と5年間で3.54ポイント拡大した。10%程度で推移していた10年前と比べると、構成比は2倍に増えており、日常点検や適正使用に対する一般ユーザーの関心の低さがうかがえる。

JAFのロードサービス件数とタイヤの構成比の推移
JAFのロードサービス件数とタイヤの構成比の推移(写真等の無断複製・転載を禁じます)

 2019年度のロードサービス件数は、前年度比5.3%(11万9096件)減の216万6947件だった。内訳は、一般道路が5.1%減の209万7636件、高速道路が8.5%減の6万9311件となった。

 故障内容別で最も多かったのは「過放電バッテリー」(70万7441件)だった。2位の「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」は41万2165件と3.0%(1万2712件)減少したものの、構成比は上昇し、全体の19.02%を占めた。

 2015年度と比較すると、全体の出動件数は7.3%(17万853件)減少した一方で、タイヤ関連の故障は13.9%(5万223件)増加し、構成比も3.54ポイント増えた。

 こうした傾向はJAFの地方支部がまとめている統計でも明らかになっている。愛媛支部が管内の2010年代(2010~2019年)のロードサービスを分析した結果、「タイヤ関係のトラブルによるロードサービス件数」は10年間で約38%増加。全体に占める割合も8ポイント増えた。

タイヤグラフ
JAF愛媛支部の統計

 同支部では「スペアタイヤを標準で搭載していない車が主流となり、代わりに『タイヤパンク応急修理キット』が搭載されている。現地で修理できない場合、修理できる場所まで『搬送する』という解決策をとるため、ユーザーがその場でトラブルを解決することが難しいのが現状」と説明している。

 また、JAF広島支部が発表した2019年度のロードサービスの統計によると、「タイヤのパンク・バースト」の件数が2009年度比で51.0%増え、全体に占める割合も7.6ポイント増の17.5%となっていることが分かった。

 近年はセルフ式スタンドが増えてタイヤを点検する機会が減少したこと、スペアタイヤ未登載車両が増えていくとともにドライバー自身が現場でのタイヤ交換ができなくなったことなどが要因と見られる。

 一方で、一般ドライバーのタイヤ点検に対する関心の低さも問題となる。首都圏のタイヤ販売店では「ドライバーが点検が必要だということ自体を知らない」「タイヤは自然に空気が抜けていくことを理解していないのでは」と指摘する。

 JATMA(日本自動車タイヤ協会)が4月に公表した消費者調査でも回答者の4人に3人は空気圧点検の正しい頻度を知らないことが分かっており、15%は「1年以内に空気圧を点検していない」と答えた。

 「自分で空気圧をチェックする方法がわからない」というドライバーも多くいる中、従来から続けてきた「月に一度は空気圧点検を」というメッセージから、もう一歩踏み込んだ啓発も求められていきそうだ。


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