欧州議会は5月13日、タイヤラベリング制度の改訂案を承認した。施行は2021年5月1日からで、燃費とウェットグリップ、車外騒音をタイヤのラベルに表示することが義務付けられるほか、将来的には耐用距離や摩耗性能、リトレッド、スノー&アイスグリップに関する情報が追加される見通しだ。
耐用距離や摩耗性能は試験方法が実行可能になった段階で加わる。欧州議会のヘンナ・ヴィルックネン氏は、「タイヤから放出される微粒子は環境中のマイクロプラスチックの大部分を占める」と指摘。あわせて、「適切な試験を利用し、耐用距離と摩耗のパラメーターを記載することでこの問題に対処できる」とコメントした。
同議会では「この新制度は省燃費に対する消費者の意識を高め、安全性を向上させ、騒音公害を減少させることを目指している」と説明している。
新制度では、1000万トンのCO2排出量の削減が見込まれ、製造業では売上高90億ユーロの増加につながる可能性があるという。
適用対象には、現行のラベリング制度の対象ではない重量車向けのタイヤも含まれる。ラベルはオンラインを含めてタイヤ販売のあらゆる場面で消費者の目につくよう表示し、QRコードを掲載する。
欧州タイヤ・ゴム製造者協会(ETRMA)では、「消費者がタイヤを購入する際に、より良い情報を提供し安全性と環境性能を備えたタイヤを広く市場に普及させるのに役立つだろう」と歓迎している。