住友ゴム工業は8月1日から乗用車用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX03」(ウインター・マックス・ゼロスリー)を順次発売すると6月30日に発表した。発売サイズは13~20インチの98サイズ。
「ウインター・マックス03」は新技術の「ナノ凹凸ゴム」を採用し、従来品(WINTER MAXX02)と比較して新品時の氷上ブレーキ性能を22%、氷上コーナリング性能は11%それぞれ向上した。
新商品に採用した「ナノ凹凸ゴム」は、タイヤ表面にナノレベルで施された凹凸構造を持つ特殊なゴムで、滑りの原因となる水膜の除去や氷への密着を素早く行うことで氷上性能に寄与する。また、ゴムに含まれる「マックスグリップトリガー」は水と反応して溶ける性質を持ち、摩耗しても繰り返し凹凸構造が出現するため、溝が減った場合も安心して使用できるという。あわせて、ゴムと軟化剤の性質を併せ持つ「液状ファルネセンゴム」を採用し、低温下での密着とゴムの柔らかさの実現を目指した。同成分はオイルが抜けるのを抑制し、しなやかさを持続させるため、時間が経っても氷上性能が低下しにくいのが特徴で、これらの技術を組み合わせることで、性能を長く持続することが可能になったという。また、ピッチ配列の最適化と、ピッチ数を21%増加し路面からの衝撃を分散することで、パターンノイズが17%減、ロードノイズは16.8%減少した。
なお、ライフ性能は従来品より多少低下したものの、同社のロングライフ性能基準を満たしていることから影響は感じられないレベルに収まっているもようだ。またゴムは柔らかくなっているが、トレッド部の構造でドライ性能の低下は抑制できているという。
同社では、「従来品はバランス型だったが、新商品は氷上性能に特化して雪道や凍った道を走るユーザーのニーズに合わせた」と位置付けている。