ブリヂストンは7月9日、環境性能と運動性能を両立するタイヤ技術「ENLITEN」(エンライトン)が、独フォルクスワーゲン(VW)の新しい電気自動車「ID.3」に採用されると発表した。「エンライトン」は、タイヤの重量を大幅に軽量化し、省資源化やタイヤの転がり抵抗を大きく低減することで環境負荷を減らすとともに、ハンドリングなどの運動性能との両立を可能にするタイヤ技術。
3次元形状革新サイプと新形状のパターン、接地形状の最適化で運動性能や摩耗性能を維持しながら、通常のタイヤと比較して転がり抵抗を約30%減少し、ガソリン車の走行時にCO2排出量低減を可能にする。電気自動車の場合はバッテリー寿命を大幅に延ばし、1度の充電で走ることができる航続距離の延長に貢献する。
さらに、約20%の軽量化でタイヤ1本あたりの生産に必要な原材料を約2kg削減し、環境負荷低減効果も期待できるという。
新型「ID.3」のタイヤ開発では、「エンライトン」と新しいコンパウンドの配合技術を組み合わせ、グリップの維持と摩耗性能の向上を追及。大幅な転がり抵抗の低減に加え、ウェットおよびドライ路面での運動性能やブレーキ性能、耐久性能の全てにおいて高い要求レベルを達成した。
同社では、この技術を「持続可能な事業戦略を支える基盤技術の一つ」と位置付けた上で、「今後もイノベーションと先進技術、画期的なソリューションを通じて事業と環境保全を両立しながら顧客価値を提供していく」としている。