欧州タイヤ・ゴム製造者協会(ETRMA)は7月14日、2020年の上半期(1~6月)の市販用タイヤの販売実績を発表した。
乗用車用(SUV用、ライト・コマーシャル・ビークル用を含む)の販売本数は前年同期比22%減の8305万本、トラック用は14%減の510万本だった。
第2四半期は乗用車用が31%減の3500万2000本、トラック用が23%減の227万本とマイナス幅が大きかった。
新型コロナウイルスの影響で平均で33日間、工場の生産停止を余儀なくされていたが、欧州でロックダウン(都市封鎖)が緩和された5月から徐々に生産を再開した。これにより、第2四半期末にかけて市販用タイヤの販売はやや増加傾向となったという。同協会は「この傾向が続くかどうかは今後数カ月ではまだ分からない」と、動向を注視している。また、「グローバル産業であるタイヤ業界の回復は、欧州の状況だけでなく世界の他の地域がパンデミックの影響をどのように受け続けているかにかかっている」と指摘している。
あわせて、欧州のタイヤ業界は、危機の影響を緩和するために欧州及び国家レベルで実施されている全ての措置を歓迎するとともに、経済の回復を支援し、刺激するための追加策に期待していると表明した。
さらに、ETRMAでは「完全な回復はまだ遠い。当面は今年後半に市場が安定することを期待するしかない」とした上で、「2020年の見通しは、全てのセグメントで販売が2ケタ減となることが予想され、依然として厳しいものとなっている」とコメントしている。