新型コロナウイルスの感染拡大により需要が激減した上期。各社は従来とは大きく異なる事業環境下で様々な対策を実施してきた。
ブリヂストンは危機への対応として機動的な資金調達を行ったほか、タイヤ・ゴム事業を中心に「リターンが確かな事業にリソースを集中させる」(同社)取り組みを始めた。
住友ゴム工業は外出自粛や在宅勤務が進む中で、オンラインを活用したオーダーシステムを導入したほか、リモート面談といった営業活動を展開した。また、欧州の販売拠点では他社に先駆けて在宅による営業体制を構築。顧客ニーズに迅速に応えた結果、シェア向上にも寄与したという。
横浜ゴムは3月下旬に同社独自の緊急事態宣言を発令。「リーマンショックとは破壊力が全く違う」(山石昌孝社長)という危機感のもと、4月から5月にかけてコミットメントラインの設定やコスト削減に着手し、さらに国内拠点の最適化を目的とした再配置の検討を加速していく方針だ。
トーヨータイヤの清水隆史社長は「影響はリーマンショックよりもすごい」と振り返る。工場で生産調整を行う一方で、グローバルでより精度の高い在庫管理を進めた。
なお、各社とも一時操業停止を余儀なくされた工場は全て再稼働していることを公表した。