横浜ゴムはIoT（モノのインターネット）を活用したタイヤマネジメントシステム「T.M.S」をリニューアルし、9月10日よりサービスを開始した。同時にトラック・バス用のTPMS（タイヤ空気圧モニタリングシステム）の新商品「HiTES4」（ハイテス・フォー）を発売。タイヤに関するデータをインターネットでつなぎ、摩耗予測や最適な商品、運用プランの提案を迅速に行うことで輸送ビジネスの課題解決に貢献していく。
「T.M.S」は同社のセールス担当者が輸送事業者を訪問した際に取得する車両基本情報やタイヤ情報、点検結果などの情報を管理するサービスで、2003年より全国で展開してきた。2018年から横浜ゴム社内でクラウドデータベースでの運用を試行しており、今回、輸送事業者からもアクセスが可能になった。また、点検台数の増加や点検ニーズの高まりなどを背景に、最新のシステムではスマートフォンと連携するデプスゲージによってタイヤの溝深さの自動入力を可能とし、点検のスピードアップや効率化を実現した。
「HiTES」はタイヤ内部の空気圧と温度をリアルタイムで確認することが可能で、管理値に達した際には警報を発するモニタリングシステム。2003年に日本で初めて市場導入し、09年に第2世代、13年に第3世代を発売している。
今回発売した第4世代は管理値に達した際に音と色点滅で分かりやすく伝えるインジケーターを採用したほか、スマートフォンやタブレットで簡単にタイヤ状態を確認できる機能を追加。また、データの保存形式を見直し「T.M.S」のクラウドサーバーとの連携もできるようになった。
これらのシステムを連携することで、運行・整備管理者は車両と離れた場所からでも専用ウェブページより、タイヤ内部の空気圧と温度や車両の位置を確認することが可能となる。さらに、モニタリングデータは同社独自のアルゴリズムで解析することで、タイヤの耐久性を予測し、リトレッドタイヤとして再利用が可能かどうかの指標にもなるという。
なお、「T.M.S」の開発は日本ユニシスと、タイヤ溝深さ情報の自動入力技術の開発は京都機械工具と協業で行った。
KTCのスマートセンシングデバイスを採用
横浜ゴムのタイヤマネジメントシステム「T.M.S」に採用された京都機械工具（KTC）のスマートセンシングデバイス「TRASAS for AUTO」（トレサス・フォー・オート）シリーズは、トルク管理を含むトレーサビリティシステム。自動車整備工場の点検・記録業務における工場全体の安全性や快適性、効率向上を目指して開発した「TRASAS」シリーズの自動車整備に特化したラインアップとなっている。