仏ミシュランは9月3日、廃タイヤのリサイクルを目指し、欧州各国から13の組織が参加するプロジェクト「ブラックサイクル」が立ち上がったことを発表した。
ミシュランが組織した同プロジェクトは、廃タイヤから新品タイヤを製造する「世界初のプロセス」(同社)を作り出すことで、タイヤのサーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を目指す。廃タイヤから原材料(2次原材料=SRMs)を回収するバリューチェーンの創造や開発、最適化を図り、「グローバルの市場で販売する乗用車用及びトラック用タイヤにSRMsが使用されることになる」としている。
ミシュランによると、新品タイヤは世界で毎年16億本が販売され、重量ベースでは2600万トンを超えている。一方で「今日の廃タイヤ処理プロセスは循環型ではなく、タイヤ業界で再利用可能な多くの原材料が再生されていない」という。
持続可能な原材料を製造するため、廃タイヤの収集や熱分解プロセスの最適化など様々なソリューションの開発を進める。早ければ5~6年後には、欧州の廃タイヤの半数近くが新品タイヤへのサイクルに組み込まれることになるという。
このプロジェクトはフランス、スペイン、ドイツ、ギリシャ、スイスの5カ国からミシュランや研究・技術機構らが参加している。予算はEUなどが拠出し、約1600万ユーロ(約20億円)にのぼる。