東洋精器工業は10月よりバランスウェイトを装着する際に効率的な作業を実現するオリジナル製品「ウェイトセッター ぺた2(ぺたぺた)」を発売した。
ここ数年、貼り付けでバランス調整を行う際のウェイトの材質が鉛から鉄(スチール)に移行し、また作業効率の向上を目的に目視しやすい下方を修正位置に採用している機種が増加している。
一方で「その流れが作業の困難さや煩わしさといった作業者のストレスを生むことが目立ってきている」(同社)という。ウェイトが丸まって手に張り付いたり、指定位置に対してセンターズレや円周方向にまっすぐに装着できなかったりと、残留アンバランスが生じて時間をロスするといった課題が出ている。
こうした中、「ウェイトセッター ぺた2」はマグネットを活用して誰でも簡単に理想的な貼り付け作業が行えるようにしたことが特徴だ。同社では「前後左右全ての方向へのズレを防止し、ピンポイントで指示された位置への正確な貼り付けが実現できる」とその特徴を説明している。
一度の作業で済めば生産性向上にも寄与できる。さらに、スタッフの熟練度による作業のバラつきが無くなることにつながり、結果として軽労化やコスト削減にも貢献できる。
同社によると、このような機能に着目した製品は業界で初。顧客を訪問して現場の作業を見ている中で製品化のアイデアを思いついたという。
販売企画部の青木茂雄技術部長は、「近年はバランサーに搭載される修正方法が多様化しているが、そのことと修正精度の向上は必ずしも紐付けされていない」と指摘する。「一番肝心な人間の手で行う貼り付け作業時に修正誤差を発生させない対策が見過ごされている」と話し、「これではアンバランスを修正するためのバランサーとしての目的が最大限に発揮されていない」と強調する。
その上で「貼り付け位置がレーザーポイントで表示される機能を有した当社のバランサー『7300P』とセットで使用すれば更に高い効果を発揮できる」とアピールし、顧客へ積極的に提案していく考えを示した。
「ウェイトセッター ぺた2」の想定小売価格は3000円。