京都機械工具 DXを強力に進めるT&M事業を開始

シェア:
カテゴリー: ニュース
KTC社長挨拶2
田中滋社長

 京都機械工具(KTC)は11月25日、顧客と自社のビジネスでDX(デジタルトランスフォーメーション)を展開する「T&M事業」の発表イベントをオンラインで開催した。

 挨拶に立った田中滋社長は「CASE時代を迎え、事業モデルの変革を進めてきた。それが本日ローンチするT&M事業だ」とコメント。“つながる&見える化”を意味するT&M事業では、「TRASAS(トレサス)製品群」や、その普及に携わるパートナー企業からなる「ソリューションネットワーク」などの取り組みにより、DXを推進する方針を明らかにした。

 同社のTRASASは、工具や計測機器にセンサーと通信機能を搭載し、測定データをデバイスに送信できるシステム。汎用的な工具をデジタルトルクレンチ化するアダプタ型トルク測定デバイス「トルクル」や「タイヤデプスゲージ」といったハードウェアと、作業管理のためのソフトウェアを中心に構成する。田中社長は「作業履歴の記録や管理、分析をすることで、最終製品の使用者や現場作業者の安全、作業品質、お客様満足度の向上を実現する」と自信を示した。

KTC-横浜ゴムイメージ
溝点検にもデジタルを活用

 イベントでは、横浜ゴムがTRASASを導入した事例を報告。同社の生産財タイヤ点検作業では、作業者による記録簿への転記やパソコンでの入力など多くの手作業があったが、KTCのデジタルデプスゲージを採用したことで入力ミスの削減や時間短縮を実現したという。また、イエローハットのトルクル導入事例では、自動記録による作業ミスの防止や、作業品質を保ちながらダブルチェックを廃止して時間短縮を達成。顧客満足度の向上にもつながったことが示された。

 当日は、パートナー企業として、TRASASのシステム全体像の設計段階から協業する富士通BSCなども紹介。そのほかT&M事業では、オンライン上でウェビナーを中心に顧客とのコミュニケーションを深める取り組みも進めていくという。

 なお、4月から発売している「TRASAS次世代作業トレーサビリティシステム」の初年度売上高目標は1億円。またTRASAS製品群を中心としたカスタム開発を含むシステムインテグレーション事業は3年目の売上金額を10億円と想定し、工具事業に並ぶ中核事業に育てる計画だ。TRASAS導入価格はスタート構成が10万~30万円、スタンダード構成が300万円から、ハイスペック構成は500万円から。


[PR]

[PR]

【関連記事】