独コンチネンタルは12月16日、タイヤ部門の新しい戦略プログラムとして「VISION(ビジョン)2030」を発表した。収益性の高い成長を目指し、持続可能性とデジタルソリューションで競合他社との差別化を図る方針だ。
今回の成長戦略では、アジアや北米でのシェア拡大を目指しているほか、乗用車・ライトトラック用タイヤセグメントでは電気自動車(EV)向けのタイヤとウルトラ・ハイ・パフォーマンス(UHP)タイヤに注力する。また、トラック・バス用タイヤセグメントではフリート向けのサービスを推進していく。
二輪車用タイヤやレース用、産業車両用タイヤを含むスペシャルティタイヤ事業は更なる成長が見込まれ、特に農業機械用タイヤセグメントで著しいと予測した。
タイヤを中心にしたデジタルソリューションに関しては、テクノロジー企業と協力して2030年までにこの分野でリーダーを目指すという。
サステナビリティ分野にも注力する。「2030年までにタイヤ業界で最も進歩的なメーカーになる」(同社)ことを目標として掲げており、バリューチェーンの全ての段階で気候変動対策や低排出モビリティなどに集中して取り組む。
また、エネルギー効率が高く環境に配慮したタイヤ開発のため、新技術や代替材料、環境に適合した製造工程の研究開発へ投資する。これらの取り組みを通じて、2050年までに100%持続可能な材料でタイヤを製造することを目指していく。
なお、前回の成長戦略「ビジョン2025」ではマーケットシェア拡大を図り、「乗用車用タイヤでは世界3位、トラック用では世界4位のタイヤメーカーとなった」(同社)としている。
中期的には、グループで調整後EBIT率は約8~11%、年平均成長率は市場の平均を上回る約5~8%、使用資本利益率は約15~20%を目指す。タイヤ部門では調整後EBIT率は約12~16%、使用資本利益率は20%以上を目標に定めた。