TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は2月15日、マレーシアにある生産子会社シルバーストーンでのタイヤ生産を今年6月で終了すると発表した。工場閉鎖後、子会社は解散する。
同工場はトーヨータイヤが2010年に買収した。主にマレーシア国内の自動車メーカー向けの新車用タイヤと、市販用のシルバーストーンブランドのタイヤを生産してきたが、設備面から同社が戦略的に進めるSUV向けの大口径タイヤは手掛けておらず、稼働率は6~7割にとどまっていた。ここ数年は毎年約10億円の赤字が続いていたことも閉鎖の理由。同日の決算会見で清水隆史社長は、「グローバル供給戦略や生産能力を総合的に勘案して閉鎖を決定した」と話した。
閉鎖後は近隣にあるマレーシア工場へ生産を一部移管。シルバーストーンブランドの販売は継続しつつ、TOYO TIRESブランドへ切り替えを順次進める予定。マレーシア工場は2013年に最新の設備を導入して稼働を開始した。これまで増強を進めており、最大で年産1000万本規模まで拡張の余地がある。
なお、2020年12月期決算で、閉鎖と解散に伴う特別損失として約63億円を計上した。
国内販売会社を本社へ移転
トーヨータイヤは15日、東京都千代田区にある支店2拠点を4月1日付けで品川区へ移転すると発表した。またタイヤ販売子会社、トーヨータイヤジャパンの本社機能を兵庫県伊丹市のトーヨータイヤ本社内に統合するほか、一部機能は品川区のオフィスへ移転する。これにより、都内の事業所は1カ所に集約される。
清水社長は「我々は日本市場で必ずしも強いと思っていない。本社と販売会社が一体となり、商品戦略や販売戦略を強化していく」と説明した。