住友ゴム工業が独自のタイヤセンシング技術「センシングコア」を軸としたソリューション展開を加速させている。CASEに対応する将来のビジネスを確立させるとともに、2025年以降にはこれまで市場になかったようなサービスを創出していく。
センシングコアはタイヤの回転により発生する車輪速信号を解析し、タイヤの空気圧や路面の状態などを検知する技術で2017年に開発した。 同社ではこの技術を進化させ、タイヤの摩耗量を検知する技術を新たに確立したと今年2月に発表した。従来から検知可能だった空気圧、荷重、路面状態に加えて、摩耗状態が検知できるようになったことで、今後進展していくモビリティ社会へ貢献していく姿勢を鮮明にしている。
現在、センシングコアの中では空気圧検知に関する技術を市場展開しているが、2023年にはリース会社やカーシェア事業者などで使用されている車両向けに摩耗検知技術を実用化させる見通し。さらに、2025年以降は路面状態のセンシング技術も活用し、外部パートナーとの協業によってトータルソリューションを構築していく。
将来を見据えれば、センシングによってタイヤの状態を正確に把握したり、車両制御に応用する技術はニーズが高まっていくことは確実だ。例えば、完全自動運転のようにドライバー自身がタイヤの状態に関知しないケースでは、空気圧や摩耗が適正に管理されていることが前提となる。
同社オートモーティブシステム事業部DWSビジネスチームリーダー兼ソリューション技術開発室主幹の川崎裕章氏は、「将来的には世の中に無いようなサービスが生まれることもあり得る」と今後へ期待を寄せる。
また、これまでセンシングコアの対象車両は乗用車向けがメインだったが、今後は小型トラックなど商用車にも提案の幅を拡大するべく、技術開発を加速させていく考えだ。